ジュエリーバブルとは?

ジュエリーバブルとは、2019年の2月に北海道のオホーツク圏に位置する屈斜路湖にてアマチュア写真家によって発見された自然現象で、厳冬期に屈斜路湖の湖面に張った氷の気泡を偏光板を通して観測することで様々な色に美しく着色されて見えることから、その名がつけられました。

厳冬期の屈斜路湖の画像。
ジュエリーバブルだけでなく、多種多様な野鳥などの自然を体感することができる。

ジュエリーバブルの発生メカニズムは?

ジュエリーバブルの発生メカニズムとしては、屈斜路湖の湖底から発生する火山ガスによって湖面に張った氷の一部が溶かされることで気泡が発生すると考えられています。
そのため、冬季に全面凍結するカルデラ湖である屈斜路湖で多く観測されます。

カルデラ湖とは?

カルデラとは、大規模な火山噴火によってできた巨大な凹地です。
大規模な噴火が起きると大量のマグマが放出されて火山内部のマグマがたまっていた場所が空洞になり、地表が陥没して円形の凹地ができます。”
カルデラ湖は、カルデラの内側に雨水などがたまってできた湖です。”

地理ラボ「カルデラとカルデラ湖・火口湖」より一部引用

なぜ着色されて見えるの?

太陽光が氷の下の気泡で反射し、観測されるまでに複数回屈折することで「偏光状態」が変化し、観測点で偏光板を通すと着色された状態で観測することができます。

ジュエリーバブル観測のコツ

着色されたジュエリーバブルを観察するには、偏光板や偏光レンズがついたグラスなどが必要です。
大型家電量販店や雑貨店、ホームセンターなどで購入ができるので、観測の際はご用意ください。
また、ジュエリーバブルがよく観測できるのは、厳冬期である1月から2月中旬ですので、防寒着などを着用の上で観測することをおすすめします。

様々な形に姿を変えるジュエリーバブル

近年の観測において、ジュエリーバブルの気泡内にさらに細かな気泡が発生することで観測できる「まだらに着色されたジュエリーバブル」も観察されており、その発生メカニズムやシミュレーターでの再現などの研究も盛んにおこなわれています。